勉強は上手くなる⑥ やればできる(5)GRIT(グリット)「成績アップのカギはやり抜く力」

アメリカを中心に、世界の教育、心理学分野が大注目する「GRIT(グリット)」。

日本語に訳すと「やり抜く力」というこの言葉…。

Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグは、仕事での成功の鍵は「信念とGRITを持つこと」と語り、グーグルは人材採用の際、「強いGRITを持っているか否かを重要視する」という。オバマ前大統領のスピーチにもたびたび登場していました。

「GRIT=やり抜く力」は、ビジネス界、スポーツ界、さらに世界銀行や米国陸軍、ホワイトハウスまで、幅広い分野のリーダーたちが、「目標を達成し成功する人」の必須条件であると認めているそうです。

GRITを提唱したのは、ペンシルバニア大学教授で心理学者のアンジェラ・ダックワース博士。

最新の心理学研究によって、大きな成果を出した人の多くは、必ずしも才能に恵まれていたわけではない。成功するために大切なのは「GRIT=やり抜く力」が最も重要であるかもしれないことが分かってきました。アメリカ合衆国教育省も、教育の最重要課題として提唱し、彼女はこの功績により、権威あるマッカーサー賞を受賞しています。

「GRIT=やり抜く力」とは、目標に対して情熱を持ってひたむきに取り組み、困難や挫折を味わってもあきらめずに努力し続ける粘り強さのことです。人が成功し、偉業を達成するには、才能やIQよりも「やり抜く力」が重要です。どんな分野でも、大きな成功を収めた人たちには断固たる強い決意があり、第1に、「粘り強く、努力家である。」第2に、「自分の目的を理解している。」

決意だけでなく、方向性も定まっています。これまでに結果を出した人たちの特徴は、「情熱」と「粘り強さ」を合わせ持っているということです。

勉強や受験で成功するために大切なのは、「才能」でも「IQ」でもなく「情熱」と「粘り強さ」すなわち「GRIT(グリット)」=「やり抜く力」です。

30年近く教育に携わってきて思うことは、勉強に近道はないということです。確かに受験勉強のテクニックはいろいろあります。でも、基本は地道にやること。一歩進んで二歩下がりながらも、コツコツと前に進んでいくしかありません。

逆にいえば、「やり抜く力」で諦めずに取り組みを続ければ必ず道が開けるわけです。難しく考えずに、まずははじめること。少しずつでかまわないので、毎日続けることからはじめてみることが重要です。

次回に続く
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