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心理的リアクタンスの話…
心理的リアクタンスという用語があります。人は自分の行動や選択を自分で決めたい欲求があります。
しかし、それを他人から強制されたり奪われると、例えそれが自分にとってプラスの提案であっても無
意識的に反発的な行動をとってしまうようになります。
つまり…、親から「遊んでないで勉強をしなさい」と命令や強制をされた時に起こる「今からやろうとしていたのにぃ」という思いとともに全くやる気が無くなってしまった。そんな心理的抵抗が、心理的リアクタンスということです。
宿題と心理的リアクタンス
宿題に関する研究の第一人者デューク大学のハリス・クーパー氏によって、宿題は「意味がないどころか悪影響」という、とんでもない研究結果が出されています。長年調査してみても、宿題をやって学力が向上した、頭がよくなったという科学的な証拠がまったく証明されないというのです。
特に小学校、中学校で、宿題を強要しようとすればするほど、顕著に勉強のモチベーションが下がるという…、まさに心理的リアクタンス。
クーパー氏によると、宿題は「高校生になってからやっと、少し効果が出てくる程度」なのだそうです。
それでも1日2時間が限度で、それ以上宿題に時間をかけると利益は減少していく、ということのようです。高校生ぐらいになって、ようやく自主的に宿題を取り組めるようになるのでしょうか…?!
けっきょく、宿題は学校の先生から強いられたものであり、自主的にやろうとしたものではありません。やらされている感がモチベーションを下げ、学力向上につながらない。目標もなく、ただただ、やらされている勉強は楽しくないもの…。しかも、学力向上にもつながらないということのようです。
勉強は自分から前向きに、楽しんで…
自分から勉強しないのに、先生や親に強いられると、怒る、そしてやる気をなくす。なんとも、自分勝手な話ではありますが、効率的な学力向上のためにも、人から言われなくとも、自分から勉強する習慣を身につけて欲しいものです。
脳のパフォーマンスは、感情によって左右される側面があります。イヤイヤ勉強するとストレスホルモンが分泌され、記憶を司る海馬や前頭前野が萎縮する一方、楽しんで勉強すると、脳は本来の機能を伸び伸びと発揮して、記憶はより定着しやすくなります。
次回に続く
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