勉強は上手くなる⑰ 習慣編(5)「短い時間を使った勉強のメリット❷」

「初頭効果と終末効果」の話…

初頭効果と終末効果というものがあります。これは何事も、はじめと終わりは記憶に残りやすいという効果。例えば、日本の歴代総理大臣の名前を1分間で10個覚えるような課題を与えられたときを想像してみましょう。途中の総理大臣を忘れてしまっても1番最初に出てきた単語と1番最後の単語は、はっきりと覚えていたりします。
短時間学習によって時間と内容を短く区切るということで、「はじめ」と「終わり」が多くなるわけです。そのため、勉強したことが記憶に残りやすいという効果が期待できます。さらに、何かを暗記しようというときは、ダラダラと行うよりも、5分で1セット、100個を10個ずつ等、できるだけ区切って暗記したほうが記憶に残りやすくなります。

「初頭努力と終末努力」の話…

人は勉強の開始直後と終了直前において、最も集中力が高まります。心理学では「初頭努力」と「終末努力」と呼んでいます。「よし!勉強するぞ」という最初の勢い、「もうすぐ終わるぞ」という最後の頑張りのことから、開始直後と終了直前は集中しやすいということです。

初頭効果と終末効果が「最初と最後は記憶が残りやすい」という効果に対し、初頭努力と終末努力は「最初と最後は集中しやすい」という効果が期待できます。
普段の勉強だけではなく、学校のテストや模擬試験でもこれを利用するには、テストの時間を半分ずつ2回に分けて時間配分をすると、1回目の終わりの終末努力と2回目の初めの初頭努力によって集中力が高まるタイミングが増え、中だるみを防ぐことになります。

あなどるなかれ短時間学習

1日のうちで自分のためだけに使える時間はどこだろうと考えてみると、意外に見つけられるのではないでしょうか。頭が自由に使える状態ならどこででも学べますので、通学時間や生活の時間も、勉強時間に変わります。まとまって時間を取るより、むしろ短い時間のほうが集中力を高められるので、勉強の効率も上がるのです。5分もあれば問題集をサッと取り出し、何問か解くことができます。あるいは、最近覚えた単語を思い出したり、間違えた問題を反芻したりするだけでも、記憶の定着に効果があります。

次回に続く