勉強は上手くなる⑯ 習慣編(4)「短い時間を使った勉強のメリット❶」

受験における究極の成功法則をひとつ挙げるとしたら、それは「続ける」ことです。とにかく続けないと結果はでません。塵も積もれば山となる。短時間学習でも日々積み重ねれば、最終的には大きな成果を得られます。

締め切り効果の話…

締め切り効果は、時間制限があったほうが脳にある扁桃体が活性化して、集中力がアップするという心理効果です。扁桃体とは、脳の中心付近にあって、感情を生み出す働きをしていて、喜びや悲しみ不安などを作っています。「適度な緊張感」を感じると、扁桃体が興奮し、脳全体の機能を高めてくれるのです。言い換えれば感情が盛んな時には物事が覚えやすいことになります。

1日中、時間を決めずにダラダラ勉強するよりも、1時間とか、時間を決めて学習したほうが、勉強にメリハリがつきます。さらに短時間の、15分とか30分しかないという「緊迫した状況」を作り出すことで、扁桃体を刺激し、必然的に集中力を高めてくれます。これが質の高い勉強を生むわけです。

 集中力がアップすれば、それだけ思考力や記憶力も高まり、ダラダラ勉強している人よりも効果的な学習が可能となります。たとえ学習時間がたっぷりあったとしても、あえて時間を細かく区切ることによって、学習が「圧縮」され、それだけ集中力をアップさせることができます。

ツァイガルニク効果の話…

ツァイガルニク効果とは、「人は達成できなかった事柄や、中断している事柄に対して、より強い記憶や印象を持つ。」という心理現象で、物事は何事もなく完了させるよりも、中断された方が記憶力を向上させるということです。

前頁で紹介したポモドーロ・テクニック等を使って短時間学習を実践していると、いつも区切りのいいところで終わるとは限りません。電車の中や、ちょっとした待ち時間等を利用したスキマ時間学習していると、「あと少しで終わったのに…」と、不本意なところで終了しないといけないことが多々あるものです。

 勉強が中途半端なところで終わることは、確かに気分がすっきりしませんが、そのことが次の勉強範囲が気になって仕方ない状態にさせます。また、中途半端に終わることは、顕在意識では学んだことを忘れても、潜在意識下では先の展開を気にし続けているものです。これが無意識の復習効果を生みます。勉強したことを無意識のうちに復習しているのです。すっきりと区切りのいい所で終える勉強方法よりも記憶に定着しやすくなります。

次回に続く